結婚式への招待や、お悔やみの席など。人生の節目となる冠婚葬祭の場で、そっと寄り添ってくれるジュエリーといえば「真珠(パール)」ではないでしょうか。
けれど、いざ身につける場面になると、こんな疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
「真珠を着けていかないと、失礼にあたるの?」
「黒やグレーの真珠は、いつ使うのが正解?」
「お葬式にイヤリングやピアスを着けても大丈夫?」
日本の冠婚葬祭には独自のルールがあり、間違った身なりをしていないか不安になるものです。 この記事では、現代における真珠の着用マナーについて、シーン別の使い分けや、よくある疑問をプロの視点で分かりやすく解説します。
1. そもそも、真珠を着用しないと「失礼」になる?

まず結論からお伝えすると、真珠を着けていなくても、マナー違反になるわけではありません。
かつては、冠婚葬祭では「結婚指輪以外のアクセサリーは控える」という考え方が一般的だった時代もありました。
ただ、現代において真珠は、フォーマルな場にふさわしいジュエリーとして広く親しまれています。
特に弔事の場では、真珠は「涙の象徴」ともいわれ、数あるジュエリーの中でも例外的に許されてきた存在です。
- 悲しみにそっと寄り添う気持ち
- お祝いの想いを、控えめに伝える姿勢
そうした心遣いを、言葉にせず表現できるところに、真珠の魅力があります。
💡 マナーのポイント
「必ず着けなければならない」ものではありませんが、身につけることで、きちんとした印象と相手への敬意が自然と伝わります。大人の女性として、ひとつ持っておくと心強い存在といえるでしょう。
2. 【シーン別】真珠の色の選び方・正しいマナー

真珠にはホワイト、グレー、ブラックなどさまざまな色があります。
冠婚葬祭では、場の意味合いに合わせた選び方が大切です。
① お悔やみの席(お通夜・葬儀・告別式)
弔事の場では、控えめで落ち着いた装いが基本となります。
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色:基本はホワイト。近年ではグレーやブラック(黒蝶真珠)も一般的になっています。
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形:できるだけ真円に近いラウンド型を。個性の強い形状は控えめにしましょう。
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長さ:鎖骨あたりに収まる40〜42cm前後が正式とされています。ロングネックレスは避けるのが無難です。
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連数:一連のみ。二連以上は「不幸が重なる」とされ、弔事には向きません。
Q. ピンク系の真珠は使える?
A. アコヤ真珠に見られる自然な干渉色としての淡いピンクであれば問題ありません。。ただし、色味がはっきりとしたピンクやゴールド系は華やかさが強いため、弔事では控えるのが安心です。
② お祝いの席(結婚式・披露宴)
花嫁よりも目立たないことが大前提ですが、お祝いの気持ちを表す華やかさは歓迎されます。
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色 : 「白」が最も一般的で安心です。その他、華やかな「ピンク系」「ゴールド系」「マルチカラー」も着用可能です。
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NGな色 : 「黒(ブラックパール)」は、お葬式を連想させるため、結婚式では避けるのが無難です(※デザイン性が高くファッショナブルなものは、カジュアルなパーティーならOKな場合もあります)。
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デザイン : お葬式とは逆に、「喜びが重なる」という意味で「二連」「三連」のネックレスも縁起が良いとされています。
3. 「グレー真珠」と「黒真珠」はいつ使うべき?

白以外の真珠の出番に迷う方も多いですが、年齢やシーンに合わせて使い分けると非常にスマートです。
① グレー真珠(アコヤ真珠のグレーなど)
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おすすめのシーン : お通夜、葬儀、法事
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特徴 :ホワイトよりも落ち着いた印象で、年齢を重ねた方にも自然になじみます。「白だと顔周りが明るすぎて浮いてしまう」と感じる年代の方や、法事などで少し控えめに装いたい時に最適です。また、弔事だけでなく、普段使いのファッションアイテムとしてもシックに決まります。
② 黒真珠(黒蝶真珠)
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おすすめのシーン : お通夜、葬儀、告別式
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特徴 : かつては喪主や親族が身につけるものというイメージがありましたが、現在は一般の参列者が着用しても差し支えないとされています。特に40代、50代以降の方が身につけると、重厚感と気品が出て非常に格好良く決まります。仏式のお葬式において最も格式高い装いの一つです。
4. お葬式の際、イヤリング・ピアスは着けるべき?

「ネックレスは着けるけど、耳元はどうしよう?」と迷うポイントですが、以下のマナーを守れば着用して構いません。
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着けるなら「一粒(スタッド)タイプ」 耳たぶにピタリと固定される、シンプルな一粒真珠を選びましょう。
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「揺れるタイプ」はNG 金具が長く、真珠がゆらゆらと揺れるデザインは、情緒が定まらない・家庭が安定しないことを連想させるため、お悔やみの席ではマナー違反となります。
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金具の色にも注意 可能であれば、ゴールド(金)よりも、シルバーやホワイトゴールド(銀色)の金具の方が、より弔事にふさわしいとされています。
※注意点
ネックレスを着けず、イヤリングやピアスだけを身につける装いは、全体の印象がややちぐはぐに見えてしまうことがあります。基本的にはセットで着用するか、ネックレスのみを選ぶと、より落ち着いた装いになるでしょう。
まとめ|一本の真珠があなたを守る

冠婚葬祭の装いは、自分を飾るためではなく、相手への「礼節」を表すためにあります。
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万能な一本が欲しいなら : アコヤ真珠のホワイト(一連・7.5mm〜8.5mm前後)
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年齢を重ねて落ち着きを出したいなら : グレー真珠や黒蝶真珠
基本となる「白いアコヤ真珠のネックレスとイヤリング(ピアス)のセット」を一つ持っておけば、結婚式からお葬式、入学式や卒業式まで、あらゆる公的なシーンで自信を持って振る舞うことができます。
大人の女性の必需品として、ご自身のライフステージに合った真珠を準備しておきましょう。