ほとんどのダイヤモンドは内部に個性的な特徴を持っており、この世に全く同じものは存在しないと言われています。
その特徴の一つが、内包物(インクルージョン)と呼ばれる特性です。
インクルージョンは一言では語りきれないほど、さまざまな種類があり個性的。
ダイヤモンドには、なぜインクルージョンができるのでしょうか?
この記事では、インクルージョンができる理由と、その種類について説明します。
ダイヤモンドの品質基準「4C」とは?クラリティの役割を理解しよう

ダイヤモンドは、品質を評価する基準としてGIA(米国宝石学会)が体系化し、国際的に普及させた4C(フォーシー)という評価基準が用いられ、カット、カラー、クラリティ、カラット数を基準に評価されます。
ダイヤモンドの4Cは美しさと価格に影響。中でも、「クラリティ」は、ダイヤモンドの透明感に影響を与える、内包物や表面欠点の有無・程度を表す評価項目です。
ダイヤモンドの内部、または表面にある天然の内包物の大きさや位置、数の度合いを一定の基準に基づいて格付けされ、10倍ルーペ(および顕微鏡)による検査を行い、FL〜I3までの11段階で評価されます。
なぜ内包物(インクルージョン)は生まれるのか?ダイヤモンド形成の仕組み
インクルージョンは、ダイヤモンドの形成過程で自然に発生するものです。
ダイヤモンドの原石は地中奥深くのマグマ近くで、数千万年から数十億年という、非常に長い年月をかけて、高温・高圧の環境下で形成されます。
その長い成長過程の間、衝撃が加わる、ひびや曇りが生じる、結晶が歪むなどさまざまな事象を経て、結晶内部に欠点が生じます。
これがインクルージョンです。
偶然他のクリスタルが混入するものもあり、インクルージョンの種類はさまざま。
また、天然の内包物とは別に、カットや研磨、処理工程で生じる人為的な欠点が見られる場合もあります。
内包物(インクルージョン)の種類一覧|特徴と見え方を解説
インクルージョンには、どのような種類があるのでしょうか。
代表的なインクルージョンのタイプと特徴を紹介します。
チップ
チップは、ガードルやキュレット、ファセットの境界線などによく見られる小さくて浅い開口部のこと。表面に衝撃が加わることで生じることが多く、研磨後の取り扱いによって発生する場合もあります。
クリスタル
ダイヤモンド内部には、クリスタルと呼ばれる結晶が入り込むことがあります。
鉱物の種類によって色や構造が違うことがあるため、まさに唯一無二の結晶。
別のダイヤモンドが入った場合は無色、炭素の場合は黒色、ガーネットだと赤色、ペリドットは緑色などに分かれます。
ピンポイント
ピンポイントは非常に小さい点状のクリスタルで、10倍のルーペを使ってようやく確認できるほど。
通常は黒か白で、個体で存在するものと集合体で存在するものがあります。
クラウド
クラウドは、ダイヤモンドの内部になる白乳色の濁りのこと。
ピンポイントのクリスタルの集合体で雲のように見えることから「クラウド」といわれます。
一つ一つは非常に小さく、目視で確認するのが難しいインクルージョンです。
フェザー
フェザーは、ダイヤモンド内部に小さな欠けやヒビがあるものです。
見る角度によって透明に見えたり、全く見えないことも。
光の反射で、白い羽のように見えることもあるため「フェザー」と呼ばれます。
フェザーが大きい場合は、耐久性に影響が出る場合もあるので注意が必要です。
ニードル
ニードルは、細長い針のようなインクルージョン。
一般的には白か透明で、10倍ルーペで細かく色を確認できます。
クリスタルやフェザーほど目立ちませんが、ニードルが多いと透明度が低くなります。
トゥイニング ウィスプス
トゥイニング ウィスプスは、ダイヤモンドの成形の過程にできるピンポイント、クラウド、フェザー、クリスタルなどのインクルージョンが混合したものです。
ダイヤモンドが成長している途中に何らかの不都合が生じると、成長が一時的にストップします。
再スタートした時には別の方向から成長してしまい、歪みが生じてしまうのです。
トゥイニング ウィスプスは、波紋状または薄い線として現れます。
クリベージ
クリべージとは、「ひび割れ」のこと。
ダイヤモンド特有の劈開性(特定方向に割れやすい性質)によって生じるひび割れです。
グレインセンター
グレインセンターとは、結晶構造の中で集中的にひずみが生じた部分のことです。
白か暗い色合いで、ピンポイントや糸状の物を伴う場合がよく見られます。
内部グレイニング
内部グレイニングは、結晶が不規則に成長したために起こるインクルージョンです。
色付き、乳白色、薄い線や筋などがあり、大きさによってはシワや反射光のようにも見えます。
ブルース
ブルースとは、表面上にあるくぼみのこと。
石が外部から強い衝撃を受けることによって生じたものです。
フェザーに囲まれたものもあり、通常はファセットの境界線のあたりで発見されます。
ノット
ノットは、もともと内部にあった透明のクリスタルが研磨されることによって表面に現れたインクルージョンです。
まとめ|インクルージョンは欠点ではなく、ダイヤモンドの個性

今回は、ダイヤモンドのインクルージョンについて解説しました。
多くのインクルージョンは、肉眼で発見するのが難しい大きさで、ダイヤモンドの欠点ではなく、個性として認識されます。
しかし、インクルージョンの場所や数によっては、透明度や耐久性に影響が出ることもあります。
ダイヤモンドは女性にとってとても魅力的な宝石の一つ。
鑑定書にもインクルージョンについては記載されていますので、ダイヤモンドを選ぶ基準として、ぜひ参考にしてみてください。