現在、市場に出回っている大部分の宝石は、なんらかの加工処理が施されています。
しかし「加工処理された宝石」と聞くと、
「価値が下がってしまうのでは?」
と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、宝石があしらわれたジュエリーの購入を考えている方に向けて、宝石を加工する目的と宝石に合った加工処理の方法について解説します。
価値ある宝石を納得して購入するために、ぜひ参考にしてくださいね。
宝石はなぜ加工される?処理石の目的と価値の考え方

宝石の加工処理には、以下2つの目的があります。
- 宝石の透明度や輝きを高める
- 宝石の耐久性を高める
見た目や耐久性を高めるために行われる加工処理ですが、処理の内容によっては価値が下がらないものも多く存在します。
宝石本来の美しさや特性を引き出すための加工処理であれば、宝石の価値が下がることはありません。
しかし、化学的な加工により本来の宝石とかけ離れた過剰な加工処理を行うと、価値は下がってしまうのです。
さらに同じ加工処理でも宝石によって合う合わないもあります。
宝石に加工処理の有無は、素人はもちろん専門家であっても難しく、判断を誤ると宝石の本当の価値を見誤ることにもなりかねません。
そのため、アメリカをはじめとした世界各国では、宝石の加工処理内容を開示することがガイドラインとして定められています。
日本においても宝石の鑑定書や識別所などに記載されていることが多いため、加工処理の種類や処理方法について、正しく理解しておきましょう。
宝石に施される代表的な8つの加工処理方法
宝石の加工には下記8つの方法があります。
- 加熱処理
- ベリリウム拡散加熱処理
- 含浸処理・ガラス充填処理
- 放射線照射処理
- 染色処理
- コーティング処理
- 高温高圧処理
- レーザードリル処理
以下で順に説明します。
(1)加熱処理
古くからあるもっともメジャーな加工処理方法。
宝石本来の発色理由ともいわれる、地熱などの自然現象を人工的に再現したもので、素材を引き立たせる方法です。
代表的な宝石は、サファイヤ・ルビー・タンザナイト・アクアマリン・トルマリン・ブラックオパール・パールなど多くの種類があります。
とくにルビーやサファイアは95%以上が加熱処理されているものです。
(2)ベリリウム拡散加熱処理
加熱処理と同様の処理ですが、加熱処理の最後にベリリウムを加えることで本来の発色ではない別の色に変える方法です。
宝石本来の発色を人工的に変化させるため、見た目は美しくなりますが、宝石本来の価値は大きく下がります。
代表的な宝石は、サファイヤやルビーなどです。
「パパラチアサファイア」として販売されていても、ベリリウム拡散加熱処理が施されている場合は、パパラチアサファイアとしての価値はないため気を付けましょう。
(3)含浸(がんしん)処理・ガラス充填処理
宝石のキズにオイルや天然樹脂を注入し、キズを目立たせないようにする処理方法。
エメラルドなどのキズや内容物が多い宝石の場合、ほぼすべてに含浸処理がされているため、価値が下がることはありません。
しかし、ルビーやサファイアなどに鉛ガラスを充填する処理がされている場合は、宝石としての価値はほぼないため、購入時には注意しましょう。
代表的な宝石は、ターコイズ、ヒスイ、エメラルド、ルビー、サファイアなどです。
(4)放射線照射処理
発色の悪い宝石に放射線を照射し、人工的に変色させる処理方法です。
多くの宝石では一般的な処理方法であり、必ずしも価値が下がる処理ではありません。
ただし、放射線照射処理されたダイヤモンドは「トリートメントダイヤモンド」や「カラーダイヤモンド」と呼ばれ、価値は大幅に減少します。
代表的な宝石は、トルマリン・トパーズ・パール・ダイヤモンドなどです。
(5)染色処理
人工的な色素を使い宝石に着色させる処理方法。
まれに、染色したことで別の宝石と偽り高値で販売されることがあるため、鑑定書などでしっかり確認しましょう。
ただ、めずらしい色の宝石も多く存在するため、価格を納得できるのであればバリエーション豊かなカラーを楽しめます。
代表的な宝石は、ターコイズ・ラピスラズリ・ヒスイキセキ・メノウ・パールなどです。
(6)コーティング処理
染色処理とは異なり、宝石の表面にほかの物質を用いて色付けする処理方法。
おもに蒸発させたチタンを薄い膜にして、宝石に付着させることでコーティングします。
代表的な宝石は、ヒスイキセキ・コーラル・トパーズなどです。
(7)高温高圧処理
人工的に、宝石を高温高圧の状態に置くことで、変色させます。
ダイヤモンドの場合、無色・ピンク・ブルー・青リンゴのような緑色になるのが特徴。
代表的な宝石は、ダイヤモンド・サファイヤです。
(8)レーザードリル処理
レーザーの熱に耐えられるダイヤモンドのみが可能な処理方法です。
ダイヤモンドにある黒い内容物までレーザー光線で穴をあけ、酸で漂白します。
レーザードリル処理が施されたダイヤモンドは、宝石としての評価は下がりますが、見た目の美しさを重視する方にとっては、価格面でのメリットがあります。
まとめ|宝石加工の知識が、後悔しないジュエリー選びにつながる

加工処理されているからといって、価値の低い宝石と決まったわけではありません。
宝石の種類により正しい加工処理がされているものは、価値が落ちるどころか、より美しくより耐久性が高くなっています。
宝石があしらわれたジュエリーを選ぶ際には、鑑定書で宝石の加工処理を確認し、その価値を正しく理解したうえで購入しましょう。
当店では、加工処理についてもご納得いただけるよう、適正価格のジュエリーを数多く取り揃えております。
不安や疑問はどんなことでもお気軽にお問い合わせください。
当店が自信をもってジュエリー選びのお手伝いをさせていただきます。