市場に出回っている宝石には、本物を模して作られた偽物も数多くあります。
安価で本物そっくりの見た目を楽しめる魅力もあるため、偽物だからといって一概に価値がないわけではありません。
しかし、本物だと思って偽物を購入することは避けたいですよね。
この記事では、真珠とダイヤモンドに特化して、本物と偽物の見分け方の目安をご紹介します。
正確な真贋の判定は、専門の機器を使う鑑別機関の仕事です。ご自宅で見分けるのは簡単ではありませんが、手元でできる簡易的なチェックによって、本物かどうかを見極める手がかりを得ることはできます。
宝石の価値を正しく理解し、納得して身に付けるためにも、ぜひ参考にしてください。
真珠が本物か偽物かを見分けよう

偽物の真珠の特徴と、見分けるときのポイントを解説します。
真珠には代表的なイミテーションが4種類ある
偽物の真珠は以下4つの種類があり、それぞれ核となる素材が異なります。
- プラスチックパール
- ガラスパール
- コットンパール
- シェルパール
順に特徴をみていきましょう。
(1)プラスチックパール
真珠の代わりに使われているのはプラスチックです。
プラスチックの核の周りにパール調の塗料をコーティングすることで、真珠のような輝きを演出します。
人工的につくられるため、歪みのないきれいな球体とつるっとした肌ざわりが特徴。
本物の真珠に比べて軽く、手に取りやすい価格なので、普段使いに向いています。
皮脂や汗に強く、扱いやすいのも嬉しいポイントです。
(2)ガラスパール
ガラスパールの核はガラスビーズです。
ガラスビーズに真珠箔を何層もコーティングすることで、本物に近い光沢感が得られます。
プラスチックパールと同様に表面はつるっとしていますが、その輝きと適度な重さから、より高級感があるのが特徴。
核となるガラスビーズは成形の段階で球体やオーバルなどに加工できるため、バリエーションを楽しめます。
(3)コットンパール
コットンパールの核はコットンです。
綿を圧縮し球体にした核に、真珠箔がコーティングされています。
ガラスやプラスチックとは違い、でこぼことした表面が特徴。
控えめな輝きは上品で、カジュアルなスタイルにもなじみます。
ほかの偽物の真珠よりも軽いため、大きなサイズでも負担になりません。
重さを感じやすいピアスやイヤリングにも向いています。
(4)シェルパール
天然の貝殻が核として使われています。
貝殻を球体に削って成形した核に真珠箔を何層も重ねるため、見た目・重量感・肌ざわりのすべてが本物に近づきます。
本物の真珠の価値には及びませんが、シェルパールのほうが扱いやすい面も。
本物の真珠は皮脂や汗に弱く、長期間そのままの輝きを保つのは難しいといわれています。
その点シェルパールは、皮脂や汗をあまり気にせず使える手軽さがあります。
真珠が本物か偽物かを判断する4つの見分け方
偽物の真珠にも4つの種類があり、その特徴もさまざまです。
とくにシェルパールの場合、見た目だけで見分けるのは至難の業。
そこで、手元で確かめられるポイントを4つ紹介します。
- 擦り合わせたときの質感
- 一粒ずつの表情
- ひもを通す穴のきれいさ
- ブラックライトでの光り方
以下で具体的に解説します。
いずれも目安であって、確実な判定ではない点はご承知おきくださいね。
(1)擦り合わせたときの質感
真珠箔がコーティングされている偽物はつるつるとした質感ですが、本物の真珠は少しざらついています。
一粒だけの触感で分かりにくいときは、真珠同士を擦り合わせてみましょう。
本物はわずかな引っ掛かりを感じられることが多いといわれます。ただし表面の状態や真珠の種類でも感じ方は変わるので、これだけで決めないでくださいね。
(2)一粒ずつの表情
手にとって、一粒ずつの表情を近くで見てみてください。
本物の真珠は貝の中で一粒ずつ育つので、よく見ると照りや色みにわずかな個体差があります。
いっぽう型に流して作られた偽物は、どの粒も表情までぴたりと同じになりがちです。
ここで気をつけたいのが、粒の大きさが揃っていること自体は偽物のしるしではないという点。
真珠のネックレスは、たくさんの珠から大きさや色の合うものを選り分けて一本に仕立てます。この「連相(れんそう)」という作業には手間がかかるため、きれいに揃った連ほど価値が高くなります。
(3)ひもを通す穴のきれいさ
偽物の真珠は穴を開ける際、真珠箔の膜がうまく処理されず、一部が穴に残っていたり飛び出していたりします。
本物の真珠には真珠箔のコーティングがないため、穴のふちが比較的きれいなことが多いといわれます。
(4)ブラックライトでの光り方
ブラックライトを当てると、本物の真珠は淡く光を放つものがあります。
ただし、蛍光塗料を使った精巧な偽物も存在します。
光り方だけで真贋を判断することはできないので、あくまで参考のひとつとして捉えてください。
ダイヤモンドが本物か偽物か見分けよう

偽物のダイヤモンドの特徴と見分け方を解説します。
偽物のダイヤモンドは成分が違う
ダイヤモンドの成分は炭素のみ。
炭素という単一の元素だけでできた、めずらしい宝石です。
偽物として流通するものでは、人工石「キュービックジルコニア」が代表的。
見た目はダイヤモンドによく似ていますが、主成分は二酸化ジルコニウムでまったくの別物です。
GIA(米国宝石学会)の資料では、キュービックジルコニアのモース硬度は8〜8.5とされています。ダイヤモンドの10には及ばず、傷がつきやすい性質です。
また、天然のダイヤモンドのほかに「人工ダイヤモンド」という名称を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
人工ダイヤモンドとは、合成によって作られたダイヤモンドのこと。
天然のものと同じく炭素の結晶ですが、天然か合成かは明示したうえで取引されます。
ダイヤモンドが本物か偽物かを判断する3つの見分け方
ダイヤモンドは見た目や肌ざわりだけでは、本物か偽物か見分けられません。
つぎの3つの方法が、手元で試せる目安になります。
- ブラックライトを当てる
- 息を吹きかける
- 屈折率を確認する
(1)ブラックライトを当てる
ダイヤモンドのなかには、紫外線を受けて青く光るものがあります。
ただしGIA(米国宝石学会)によれば、同機関に提出されたダイヤモンドのうち、なんらかの蛍光を示すものはおよそ25〜35%。
光らないダイヤモンドのほうが多く、光るか光らないかで本物と偽物を判断することはできません。
(2)息を吹きかける
ダイヤモンドの熱伝導率の高さを利用する方法です。
本物のダイヤモンドに暖かい息を吹きかけると、曇りがすぐに消えるといわれます。
いつまでも曇りが残る場合は、別の石の可能性を考えてみましょう。ただし部屋の湿度や石の汚れでも見え方は変わるので、目安のひとつとして。
(3)屈折率を確認する
ダイヤモンドの屈折率を利用する方法です。
黒い点を書いた白い紙の上に石を置き、真上から覗きます。
ダイヤモンドは屈折率が高いため、一般的には石越しに黒い点が見えにくくなります。
なお、この方法が試せるのは枠にセットされていない裸石のときだけです。
まとめ|ダイヤモンドと真珠の本物と偽物を見分けて、宝石の価値を調べよう

真珠やダイヤモンドは、見た目の美しさや希少性から人気があるため、偽物もたくさんあります。
偽物でも精巧につくられているものや、本物より扱いやすいものもあります。
それぞれに異なる魅力があるからこそ、シーンに合わせて選ぶ楽しみもある。
とはいえ、宝石の価値を正しく知るうえで、見分け方の目安を知っておくことは大切です。
今回紹介した方法はあくまで参考のひとつ。
確実に判定したいときは、鑑別機関や専門店にご相談くださいね。
本物と偽物の違いが分かったら、次に気になるのは「本物の中にもある違い」ではないでしょうか。同じ真珠でもタイプによって雰囲気は変わるので、自分に似合う一粒を探すヒントになりますよ。見分けの次は、真珠のタイプ選びもぜひのぞいてみてくださいね。