Column
2026年01月23日
今では当たり前のように着けられているピアスやイヤリング。 ピアスを開けることが「大人への一歩」と捉えられることもありますが、その歴史をご存じの方はどれだけいるでしょうか。 同じように思えるピアスとイヤリングも、始まりのタイミングやイメージは全くの別物。なんとなくピアスの方が新しい、歴史が浅いと思われがちですが、紐解いてみるとそうでもありません。 さらに耳元できらりと光るピアスやイヤリングは、ビジネスシーンにうれしい効果も。今回は、ピアスとイヤリングをなぜ着けるようになったのか、その歴史を振り返りながら紹介します。 ピアス・イヤリングの歴史 特にピアスの歴史は非常に古く、始まりは数千年前にものぼると言われています。よく知られているのが、約5300年前の氷河から見つかったミイラ「アイスマン」の耳にピアスの跡がある、という説。ただしアイスマンを展示している博物館の公式サイトには、61個のタトゥーや髪・爪・歯の状態は詳しく載っているものの、耳についての記述は見当たりません。有名な話ではありますが、確かな裏づけがある記録ではないようです。 いっぽう、はっきり残っている記録もあります。旧約聖書には、耳輪を集めて埋めた場面(創世記35章)や、耳輪から金の像を作った場面(出エジプト記32章)が書かれています。古代エジプトやペルシアの時代の壁画にも、ピアスを着けた男性の姿が残っています。 古代ペルシアの遺跡からは、装身具を身につけた男性の遺骨も見つかりました。海賊がイヤリングやピアスを着けていたという話も有名ですが、こちらは言い伝えの域を出ないようです。宗教儀式の一環として、少年の耳にピアス穴を開けたりイヤリングを着けたりする習慣もあり、ピアスが男性中心に広まっていたことがわかるでしょう。 金・銀やプラチナなど、さまざまな高級素材で作られるピアスは、次第に、時代の権力者や支配層が自らの富や地位を示すアイテムへと変化していきます。日本での本格的な流行は戦後からですが、中世ヨーロッパなどでは当時から貴族や富商の間でも人気でした。 イヤリングの登場と、ピアスの再ブーム 数千年の歴史を持つピアスに対して、イヤリングの歴史はぐっと新しめ。耳に穴を開けずに着けられる金具が広まったのは19世紀の終わり頃からで、ネジで留めるタイプが1890年代あたりから、バネで挟む現在のようなクリップ式が広まったのは1930年代ごろ。 穴を開けなくてよい手軽さに加え、20世紀のアメリカで理想とされた上品で慎ましい女性像に合うアイテムとされ、イヤリングは女性を中心に人気を集めていきました。 日本に目を向けると、縄文時代にはすでに耳飾りが使われていたことがわかっています。ただし弥生時代に入るとその姿はいったん見えなくなり、古墳時代になって金や銀の耳環が登場します。こちらは大陸から伝わった、系統の異なる装身具と考えられています。 女性から支持を集めたイヤリングでしたが、1960年代以降はピアスが再び脚光を浴びます。きっかけは、既存の価値観に縛られない生き方を掲げたヒッピー文化の広がり。1970年代から80年代にはパンクロックのアーティストたちがこぞって身につけ、若い世代へと一気に広まりました。こうした流れを経て、現代のピアス人気につながっています。 ピアスはなぜ着ける?諸説あるイメージを紹介 男性人気の高かったピアスですが、着ける意味は時代や立場・シーンによって諸説あります。ピアスの持つメッセージ性をより深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。 (1)魔除けとしてのピアス 古代エジプトでも痕跡がうかがえるピアスには、魔除けとしての役割があったと伝えられています。 耳の穴から悪いものが入り込むと考えられていた地域があり、それを防ぐために光る飾りを着けた、という言い伝えが残っています。ただしこの話は語り継がれてきたもの。どの時代のどの地域の風習かをはっきり示す資料は、実は見つかっていません。 (2)身元証明や葬儀代としてのピアス ピアスは兵士が戦死したときの身元証明や、海賊の葬儀代だったという話も、よく知られています。危険と隣り合わせで生きる男たちが、自分の葬儀代の代わりに金のピアスを着けていた、という筋書きです。 ただ、この説を裏づける当時の資料は見つかっていません。海賊の歴史を扱う資料でも「言い伝え」として紹介されているもので、実際にそうだったと確かめられているわけではないようです。それでも長く語り継がれてきたのは、身を飾るものが持ち主の証にもなる、という感覚が時代を越えて伝わるからかもしれません。 (3)富や地位を示すピアス 金や銀、プラチナといった高価な素材で作られるピアスは、身につける人の立場を映すものでもありました。 時代の権力者や支配層にとって、耳元で光る装飾は自らの富を示すしるし。中世ヨーロッパでは貴族や裕福な商人の間で人気を集めています。誰の目にも留まる顔の近くにあるからこそ、ピアスは「その人が何者か」を語る役割を担ってきたのです。 ビジネスパートナーとしてのピアス・イヤリング 現代ではファッションの一部として取り入れられているピアスやイヤリングですが、大事なビジネスシーンでも強い味方になります。ビジネスにはコミュニケーションが付き物ですが、重要な内容とはいえ、ずっと相手の目を見て話すのは辛くなることもあるでしょう。 就職活動の場面では緊張した時に”面接官のネクタイを見る”と教わることも多く、男性相手ならネクタイの結び目を見て視線を逸らせます。女性に置き換えると位置的にネックレスが妥当ですが、視線の位置によっては、意図しない印象を与えてしまう可能性もあります。そのような場合にうってつけなのが、顔のすぐ側に身につけるピアスやイヤリングです。 視線を逃がせるとはいえ、ビジネスシーンのためデザインは何でも良いわけではありません。あくまでシンプルでエレガントな一品を選び、揺れるデザインは色っぽいイメージを与えるため避けたいところ。加えて、パーソナルカラーをベースに選ぶと顔から浮かず、顔周りをパッと明るく照らし、健康的でポジティブな印象を与えられるでしょう。 まとめ|歴史を知ることでピアス・イヤリングはもっと魅力的になる...
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ピアス・イヤリングの歴史を辿る。なぜ着けるのか?時代や立場ごとの意味を徹底解説