かつて「トパーズ」と呼ばれた石|11月の誕生石シトリンの歴史と石言葉を解説

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かつて「トパーズ」と呼ばれた石|11月の誕生石シトリンの歴史と石言葉を解説

レモンを思わせる、澄んだ黄色。シトリンは11月の誕生石として、トパーズとともに誕生石一覧に並んでいます。

明るい色合いから、気取らない石という印象をお持ちの方も多いかもしれません。けれど名前をめぐる歴史をたどると、思いのほか入り組んだ事情が見えてきます。

シトリンがどんな石なのか。なぜ長いあいだ「トパーズ」と呼ばれてきたのか。11月の誕生石としての石言葉まで、まとめてご紹介します。

シトリンとは

シトリンのリング

シトリンは、クォーツ(石英)の黄色い変種。水晶やアメシストと同じ石英の仲間で、モース硬度は7です。

その黄色をつくっているのは、結晶のなかにごくわずかに含まれる鉄です。ほんの少しの成分が、石全体の色を決めてしまいます。

じつは紫色のアメシストも、同じ鉄を含んでいます。鉄がどんな酸化状態にあるか、そこへ天然の放射線がどう働いたか。その差で、黄色にも紫にもなります。

クォーツと聞いて水晶を思い浮かべる方は多いはずです。シトリンはその色違い、と考えるといちばん近いかもしれません。

名前の由来はレモン

シトリンという名前は、フランス語でレモンを指す citron(シトロン)に由来します。色をそのまま名前にした、率直な成り立ちです。

産地としては、ブラジルがよく知られたひとつです。

紫のアメシストから生まれる黄色

ジュエリーとして流通しているシトリンは、その8割以上がアメシストやスモーキークォーツに熱を加えて色を変えたものです。

もとは紫や褐色だった石が、加熱を経て黄色へと変わります。いずれも同じ石英の仲間にあたる石です。

いっぽう、天然のまま黄色いシトリンは希少です。店頭で出会う黄色の多くが加熱から生まれたものと聞くと、少し意外に感じられるかもしれません。

紫のアメシストが、熱を経て黄色のシトリンとして並ぶ。同じ鉄を含んだ石が、その状態の違いで別の顔を見せてくれます。

どちらが良い悪いという話ではありません。ただ、手のなかの黄色がどこから来たものかは、知っておいて損のないところです。

「トパーズ」の名で流通してきたシトリンの歴史

シトリンでいちばん話がこじれるのは、その呼ばれ方です。

20世紀以前、黄色から茶色、オレンジまで、透明な石はひとまとめに「トパーズ」と呼ばれていました。鉱物としての区別が、まだ十分につかない時代のことです。

その名残で、シトリンは次のような名前で長く流通してきました。

  • ゴールドトパーズ
  • スパニッシュトパーズ
  • マデイラトパーズ

どれも、いまの鉱物名からすれば誤称にあたります。トパーズという言葉が、黄色い石の代名詞として使われていた時代の呼び名です。

けれどシトリンとトパーズは、まったくの別物です。シトリンは石英の仲間、トパーズは石英とは無関係のべつの鉱物です。

硬さも違います。モース硬度はシトリンが7、トパーズが8。似た色に見えても、石としての成り立ちは重なりません。

名前だけでは、その石が何であるかは決まりません。シトリンを選ぶときに、頭の片隅へ置いておきたいところです。

ヴィクトリア朝のジュエリーに使われた石

シトリンは、ヴィクトリア朝のジュエリーにも使われてきました。誤称のまま呼ばれていた時代にも、この黄色は変わらず好まれていたということです。

石の正体が分かるより先に、人はその色を選んでいました。

シトリンは11月の誕生石

日本の誕生石で、11月に定められているのはトパーズとシトリンのふたつです。2021年の改訂でも、11月の顔ぶれに変わりはありませんでした。

シトリンの石言葉は「繁栄」「成功」「富」「幸福」「希望」の5つです。

富や繁栄と結びつけられてきたことから、商売繁盛や金運を願う方に大切にされてきた、と言い伝えられています。

新しい仕事を始める日や、大切な場面へ向かう朝。お守りのように身につけたくなる言葉が並んでいます。

贈り物としても選びやすい色です。装いのどこかに黄色がひとつあるだけで、表情まで明るく見えてきます。

同じ11月生まれでも、トパーズとシトリンのどちらを選ぶかで印象は変わります。色で選んでも、石言葉で選んでもかまいません。

あわせて知りたい、11月の誕生石

11月の誕生石には、シトリンのほかにトパーズがあります。

トパーズ

トパーズは、無色・ブルー・ピンク・オレンジ・イエロー・ブラウン。色の幅がとても広い石で、モース硬度は8です。

よく見かける澄んだブルートパーズは、処理によって色を得たものです。もとは無色だった石が、あの水色に変わります。

石言葉は「友情」「希望」「誠実」「潔白」。シトリンと重なるのは「希望」です。同じ11月の石として、その日の気分で選び分けるのも楽しい組み合わせになります。

まとめ|11月の誕生石シトリン

シトリンは、石英の黄色い変種です。その色をつくっていたのは、ごくわずかな鉄でした。

長いあいだ「トパーズ」の名で呼ばれ、ゴールドトパーズやマデイラトパーズといった誤称も残りました。けれど鉱物としては、まったく別の石です。

石言葉は「繁栄」「成功」「富」「幸福」「希望」。11月生まれの方への贈り物にも、自分の一日を明るくしたい日にも、シトリンという選択肢を思い出してみてください。

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