翡翠は古くから美しい宝石として人々に愛されてきました。
中国や中米の古代文明では、他のどんな宝石よりも美しく価値があるとされ、数々の宝飾に使われ大変重宝されてきました。
「身につけるほど美しくなる」
「持つと仕事が成功する」
そんなパワーを持っていると言われている翡翠。
今回は翡翠のもつ意味と得られる効果について詳しく解説します。
そもそも翡翠とは?

翡翠とは、ヒスイ輝石を主成分とする宝石のことを指します。
実は国内でも産出され、2016年には日本鉱物科学会によって日本の国石に選定されています。
翡翠の基本情報
| 名称 | 翡翠 |
| 鉱物名 | ヒスイ輝石 |
| 産地(硬玉) | 日本、ミャンマー、グアテマラ、アメリカ、ロシアなど |
| 硬度 | 6.5〜7 |
翡翠の硬度はモース硬度6.5〜7と中程度(宝石の中でも最強の硬度を誇るダイヤモンドはモース硬度10)。ですが他の宝石と比べ粘性があり、それによる靱性(割れにくさ)はピカイチです。
翡翠の色
一般的に翡翠の色は緑色だと思われがちですが、白・紫・青・黒・赤など、その色は実に多彩です。
なぜそのように多様な種類が生まれるのかというと、ダイヤモンドやエメラルドのように単一の鉱物から成る宝石とは異なり、翡翠は複数の鉱物が混ざり合って形成されるためです。
つまり、本来は透明のヒスイ輝石に、どんな元素や鉱物がわずかに混ざるかによって見える色が異なる珍しい石なのです。
ヒスイ輝石にどんな元素が加わるとどんな色が生まれるのか、一例を以下に示します。
| ヒスイ輝石 | 結晶は透明 結晶が単一で集まると白色の翡翠に |
| ヒスイ輝石+ クロム |
鮮やかな緑色の翡翠 |
| ヒスイ輝石+鉄 | 落ち着いた緑色の翡翠 |
| ヒスイ輝石+ チタンなど |
紫色の翡翠 (発色原因は諸説あり) |
翡翠は、このように鉱石の配分の差で世界に1つしかない色を生み出しているのです。
翡翠の名前の由来
本来翡翠という漢字は「カワセミ」を意味するもの。
カワセミとは、美しい緑色の羽を持つ水辺に生息する小鳥です。
カワセミを漢字に変換すると「翡翠(カワセミ)」となります。
同じ漢字を使うようになった詳しい経緯は不明ですが、一説ではカワセミの羽のように美しい緑色の宝石を「翡翠玉」と呼び、いつしか玉が外れ、「翡翠(ヒスイ)」と呼ぶようになったと言われています。
翡翠の英語名
英語圏では翡翠のことをJade(ジェイド)と呼びます。
実は翡翠には硬玉と軟玉の2種類がありそれぞれ、
- Jadeite(ジェイダイト/硬玉)
- Nephrite(ネフライト/軟玉)
と呼ばれています。
ジェイドは硬玉・軟玉双方を総称した呼び方です。
硬玉と軟玉の違い
硬玉と軟玉は鉱物学的には全くの別物。
しかし鉱物の研究が進むまで素人に硬玉と軟玉を見分けるのは難しかったため、硬玉も軟玉も当時は同様に扱われていました。
その違いは下記です。
| 硬玉 (ジェイダイト) |
・ヒスイ輝石の割合が50%以上 ・希少で資産価値が高く、高価な宝石として扱われる ・一般的に翡翠というとこの硬玉をさす ・濁りや色ムラのない鮮やかな緑色又は白色のものが特に高価 ・「本翡翠」と呼ばれることもある |
| 軟玉 (ネフライト) |
・透閃石〜緑閃石(角閃石グループ)を主成分とする、硬玉とは別の鉱物 ・一般的には装飾用石材として扱われ、硬玉に比べて安価な傾向がある |
かつて翡翠の価値は、色の種類や鮮やかさ、質感によって決まっており、当時の中国では軟玉も宝石として扱われていましたが、硬玉が出回るようになると軟玉は安価に扱われるようになりました。
しかし例外もあり、軟玉の中でも白色の「羊脂玉」と呼ばれる石は希少価値が高く、硬玉に匹敵する高値で取引されることもあります。
翡翠の歴史

日本での翡翠の歴史
日本で初めて翡翠が扱われたのは、なんと今から5500年ほども昔のこと。
縄文時代には国内で翡翠加工が行われていたとされる記録があります。
これは、世界最古級の翡翠加工と考えられています。
日本は元来翡翠が産出しやすい地形で、特に糸魚川周辺では透明度が高く質の良い翡翠が採れることで有名です。
中国での翡翠の歴史
中国では美しい宝石のことを「玉」と呼んでいましたが、同時にそれは翡翠をさす言葉でもあり、中国文化の初め頃から現在に至るまで珍重されています。
特に古代より玉器などの数々の宝飾に用いられその美術文化にしっかり根ざしていることから、その歴史は深く政治とも結びついており、清朝の権力者『西太后』に愛された石としても有名。
それほどに翡翠は中国の人々にとって宝石の代表的存在で、かつては金やダイヤモンド以上に、精神的・文化的価値を持つ石として尊ばれていました。
翡翠の持つ意味
翡翠の石言葉は以下の通りです。
・幸福 ・知恵
・忍耐 ・調和
・安らぎ ・富
・名誉 ・繁栄
古代中国では現世とあの世を繋ぐ石として「不老不死の石」と呼ばれたことも。
その尊い身の再生を願い、貴人の埋葬時に墓の近くに供えられたそうです。
その他にも悪しきものを遠ざけその身を護る石として、御守りとしての意味を持つとされてきました。
翡翠がもたらす効果

翡翠には五徳(仁・義・礼・智・信)を高める効果があるとされてきました。
五徳とは儒教の教えの一つで、人として守り高めるべき以下の5つの徳のことです。
| 仁 | 人を思いやること。 |
| 義 | 利欲にとらわれずなすべきことをすること。 |
| 礼 | 礼儀正しさ。 |
| 智 | 知識があること。 |
| 信 | 誠実であること。 |
この五徳を高めるということから、「持つと成功し繁栄をもたらす」「仕事や恋愛が上手くいく」とされています。
かつて古代の商人は、翡翠を手に握りながら交渉をしたと伝えられています。
事業を立ち上げる予定の人、会社で出世したいと願う人は、特に翡翠を身につけるのがおすすめです。
魔除けの効果も高いとされ、御守りとしての効果も期待でき、近年では、交通安全のお守りとして身につける人もいます。
また、翡翠は安らぎのパワーストーンとしても高い人気があります。
安眠・疲労緩和・精神安定をもたらしてくれるとされています。
翡翠に関するエピソード
古くから愛されてきた翡翠には数々の有名なエピソードがあります。
その一部を紹介しましょう。
【翡翠の癒しのパワー】
英語名のJadeの語源は「腹痛の石」という意味からきています。
翡翠は中南米では腰痛や腹痛に効果があるとされ、治療に使われていたのだとか。
それほどまでに翡翠には癒しの力があると信じられていたのです。
【孔子も愛した「玉」の美しさ】
有名な中国の思想家、孔子も玉を深く愛したひとりとされています。
『礼記』には、孔子が玉の持つ徳を説き、その澄んだ気配を天にたとえて称えたという記述が残されています。
なお、当時の中国で尊ばれた玉は主に軟玉。硬玉の翡翠が広く知られるようになったのは、ずっと後の時代のことです。
【身につけるほど美しくなる】
翡翠は「色を育てる石」として有名。
それは他の宝石と異なり、身につけることで人肌の油分が石に輝きをプラスしてくれるため。
身につければ身につけるほどにその輝きを増し、美しくなると言われています。
翡翠以外の5月の誕生石
翡翠の他に5月の誕生石で有名なものといえばエメラルド。
かのクレオパトラも愛したとされる魅惑的な緑色の美しい宝石で、その輝きは「緑の火」とも称されます。
エメラルドは四大宝石の一つ。
「エメラルドグリーン」という色名の語源にもなったことでも知られています。数ある宝石の中でも別格の、人々の憧れの石です。
エメラルドもまた、精神の安定や成功、癒しのパワーを持つ宝石として親しまれてきました。
まさに新緑の生命力あふれる季節に相応しい誕生石ですね。
5月の誕生石は翡翠とエメラルドですが、ほかの月にもそれぞれ意味や石言葉を持つ誕生石があります。12ヶ月の誕生石の意味と石言葉まとめで、気になる月をチェックしてみてくださいね。
まとめ|翡翠の持つ神秘的な輝きはあなたを幸福に導く
翡翠のどこか引き込まれるような艶やかな緑色には、古くから人々の心を掴んで離さない神秘性と底知れないパワーを感じます。
その深みのある美しさは女性はもちろん、しっとり落ち着いた男性の魅力も引き立てることでしょう。
人間性を高め数々の成功を呼び込み、富と幸福を運ぶとされる翡翠。
あなたも「色を育てる石」翡翠を身につけ、日ごとに深まる輝きとともに、成功と幸福を育ててみませんか。