宝石の中でも「特殊効果」をもつ、珍しい石の存在をご存知でしょうか。
光の加減によって模様や色が変化するなど、さまざまな個性的な効果をもつ宝石が実は多く存在するのです。
今回は、そんな特殊効果をもつ石を紹介していきます。
「宝石の中でも珍しい石を求めている」
「他とあまりかぶりたくない」
そんなこだわり派の方は、ぜひご覧ください。
珍しい石がもつ5つの特殊効果
光の当たる角度によってさまざまな模様や色味が現れる「特殊効果」。
今回は、宝石に見られる代表的な特殊効果のなかから、5つをご紹介します。
- スター効果
- キャッツアイ効果
- 変色効果
- シラー効果
- 遊色効果
それぞれの特殊効果ごとに、石の種類も紹介していきます。
特殊効果(1)スター効果
スター効果は光を当てると、宝石の表面に交差した光の筋が現れる特殊効果です。
その光の筋が、星のように見えることから「スター効果」と呼ばれています。
また、別名では「アステリズム効果」「星彩効果(せいさいこうか)」と呼ばれることも。
光の筋が何本現れるかは石によって違い、4本のもの、6本のもの、さらに多いものまであります。
この筋の正体は、石の内部に細く針のように並んだ含有物(インクルージョン)。
そこに当たった光が跳ね返ることで、線となって浮かび上がります。
そんなスター効果は、光を当てる角度によって模様の変化を楽しめるのがポイント。
この光を美しく見せるために使われるのが「半球型カボションカット」という加工です。
効果そのものを生み出すのは石の中の含有物なので、カットは“それを見えるようにする”役目、というわけですね。
| 「半球型カボションカット」 宝石の表面を、平らな面を作らずになめらかな半球形に磨きあげたカットのこと。 光を一点に集めるように反射させるため、 石の内部の含有物が生む光の筋や色の揺らぎが、 もっとも美しく浮かび上がる。 |
【スター効果をもつ主な宝石一覧】
- ルビー
- サファイア
- ローズクォーツ
- スピネル
- ガーネット
特殊効果(2)キャッツアイ効果
キャッツアイ効果は、光が当たると表面に「猫の目」のような白い光のラインが現れる特殊効果です。
専門的には「Chatoyancy(シャトヤンシー)」と呼ばれ、これはフランス語で猫の目を意味する言葉に由来しています。日本語では「猫目効果」とも表現されます。
キャッツアイ効果も、スター効果と同じ仕組み。
石の中に細い繊維状の含有物が一方向にそろって並んでいて、そこで跳ね返った光が一本の線になって見えます。
この線をきれいに出すために「半球カボションカット」で仕上げるのも、スター効果と同じです。
丸くなめらかに磨かれた表面は、当たる光の角度を変えるごとにさまざまな顔を見せてくれます。
そして、一般的にキャッツアイと呼ばれている宝石は「クリソベリル・キャッツアイ」が有名です。
クリソベリル・キャッツアイは、宝石そのものに効果の名前がつけられているほどですが、キャッツアイ効果をもつ宝石は他にもたくさんあります。
【キャッツアイ効果をもつ主な宝石一覧】
- トルマリン
- アパタイト
- タイガーズ・アイ・クォーツ
- ベリル
- オーソクレイズ・フェルドスパー
特殊効果(3)変色効果
変色効果は、日光・蛍光灯・白熱灯といった異なる光が当たるときに宝石の色がちがって見える現象です。
また、別名で「チェンジ・オブ・カラー」や「カラーチェンジ」または「アレキサンドライト効果」とも呼ばれています。
その別名の由来から、変色効果をもつ有名で代表的な石は「アレキサンドライト」です。
アレキサンドライトは、太陽の下では緑色に、白熱灯の下では赤色に見える不思議な特徴をもっています。
「昼はエメラルド、夜はルビー」と言い表されるほどの変わりようで、緑の出方は産地によっても違い、深いオリーブグリーンに寄るものもあれば、青みがかった緑に見えるものもあります。
変色効果をもつ宝石は、色の変わり方がはっきりしているものほど高く評価される傾向にあります。
【変色効果(カラーチェンジ)をもつ主な宝石一覧】
- アレキサンドライト
- ガーネット
- トルマリン
- サファイア
- アメジスト
特殊効果(4)シラー効果
ムーンストーン(和名:月長石)の表面に、白〜青色の月光のような光がふわりと浮かぶ現象。
これは「アデュラレッセンス」と呼ばれています。
石の中では、性質のわずかに違う薄い層が交互に重なっています。
そこへ光が当たると、層に沿って光が広がり、あの淡い輝きが生まれるのです。
この見え方は「シラー効果」と呼ばれることもあります。
ただしシラーという言葉はムーンストーン専用ではなく、ラブラドライトなど別の石の光にも使われる、もう少し広い呼び方。
ドイツ語の「きらめく」を意味する言葉に由来するとも言われています。
この光も、カボションカットで丸く磨くことでいちばん美しく見えます。
角度を変えるたびに、内側から月明かりが差してくるような表情。
不思議と心を穏やかにしてくれるのが、この石の魅力です。
【シラー効果と呼ばれる光をもつ主な宝石】
- ムーンストーン
- ラブラドライト
特殊効果(5)遊色効果
遊色効果(ゆうしょくこうか)は、角度によって変化する「虹色のような色彩」が現れる特殊効果です。
また、「プレイ オブ カラー」とも呼ばれています。
このようなはっきりとした遊色効果は、宝石の中ではオパール特有の現象として知られています。
オパールは、水に溶けたシリカ(二酸化ケイ素)が少しずつ溜まってできる宝石。
その歳月は何百年どころではなく、何百万年という単位をかけて育つと考えられています。
虹色に見える理由は、その中身にあります。
オパールの内部では、シリカが目に見えないほど小さな球になって、規則正しく積み重なっています。
そこへ光が入ると、規則正しい並びに沿って光が分かれ、虹のような色となって現れるのです。
どんな色が出るかを決めているのは、その球の大きさ。
小さい球が並んでいるところは青や紫に、大きめの球が並んでいるところはオレンジや赤に見えます。
一つの石の中でも場所によって球の大きさが違うため、覗き込む角度を変えるたびに色が移り変わっていくのですね。
【遊色効果をもつ宝石】
- オパール
まとめ|特殊効果をもつ珍しい石は他とかぶりたくない方にピッタリな宝石
今回は、数ある宝石の中でも珍しい石を5つの特殊効果ごとに紹介しました。
特殊効果をもつ石は、当たる光の角度や光の種類で輝きが変わり、幻想的で美しい印象を抱かせてくれます。
そんな美しく珍しい石は、今日まで世界中のジュエリー愛好家はもちろん、「他とかぶりたくない」と思う、こだわり派の方たちにも親しまれてきました。
「なかなか気に入った宝石に出会えない…」そんな方は、特殊効果をもつ宝石から選んでみてはいかがでしょうか。
石の見え方の話は、ほかの記事にもまとめてあります。石の見え方でわかる宝石の話まとめもあわせてどうぞ。