天然の物質の中で、もっとも硬い宝石です。ただし油になじみやすい性質があり、皮脂やハンドクリームが薄い膜になると、輝きがぼんやりしてしまいます。
- ふだんは
- ぬるま湯と中性洗剤にひたし、やわらかいブラシで石の裏側から洗います。お手入れの効果をいちばん感じやすい宝石です。
- 気をつけたいこと
- 硬くても、割れないわけではありません。ある方向に割れやすい性質(劈開)があり、角を強くぶつけると欠けることがあります。
- ほかのジュエリーやダイヤモンド同士が触れ合うと、相手に傷をつけてしまいます。保管は別々に。
→ ダイヤモンドはなぜ割れる?
ルビー・サファイアRuby & Sapphire
硬さ 9
どちらもコランダムという同じ鉱物で、ダイヤモンドに次ぐ硬さをもつ丈夫な宝石です。ピンクやイエロー、オレンジなどのカラーサファイアも同じように扱えます。
- ふだんは
- ダイヤモンドと同じく、ぬるま湯と中性洗剤、やわらかいブラシで洗えます。
- 気をつけたいこと
- 加熱のほかに、ガラスや樹脂をしみこませる処理をした石は、薬品や熱に弱いことがあります。気になる場合は、ご購入店にご確認ください。
- 周りにダイヤモンドなどをあしらったデザインは、石を留める爪のゆるみにも気をつけて。
硬さはあるものの、内側に「ジャルダン(庭)」と呼ばれる内包物やすき間が多く、衝撃や温度変化に繊細な宝石です。多くのエメラルドは、透明感を高めるためにオイルや樹脂をしみこませています。
- ふだんは
- やわらかい布で拭くのが基本です。汚れが気になるときは、ぬるま湯でさっと洗い、浸け置きはしません。
- 気をつけたいこと
- 超音波洗浄・スチーム・熱湯は避けます。
- アルコールや溶剤は、しみこませたオイルを抜いてしまい、内包物が目立つ原因になることがあります。
- ぶつけると欠けやすいため、家事やスポーツの際は必ず外しましょう。
貝の中で育つ有機質の宝石で、薄い真珠層が幾重にも重なってできています。汗や酸、乾燥、熱が苦手な、いちばん気づかいたい素材です。
- ふだんは
- 着けた日は、やわらかい布で一粒ずつ拭いてからしまいます。汗をかいた日は、水にひたして固くしぼった布で拭き、乾いた布で仕上げます。
- 気をつけたいこと
- 香水やヘアスプレー、化粧品は、パールを着ける前に済ませます。
- 酢や柑橘の果汁、手指の消毒液がついたら、すぐに拭き取ります。
- ネックレスは水に浸けないでください。糸が傷み、伸びや切れの原因になります。
- 強い日差しや暖房の近く、乾燥剤と一緒の保管は、乾燥によるひびの原因に。
糸替えのタイミング 年数よりも状態で判断します。珠と珠のあいだにすき間が見えてきた、糸が黒ずんできた、と感じたら替えどきです。
→ パールネックレスの糸替え|タイミングと方法
→ 真珠を長持ちさせるための対策
マザーオブパールMother of Pearl(白蝶貝 など)
硬さ 約3.5
貝の内側の真珠層を薄く削り出した素材です。地金の枠にはめ込み、接着して仕立てることが多く、パールと同じか、それ以上にデリケートです。
- ふだんは
- 乾いたやわらかい布で、表面をやさしく拭くだけにします。
- 気をつけたいこと
- 水や洗剤に浸けると、接着がゆるんだり、つやがくもったりします。
- 酸やアルコール、熱、強い衝撃も避けましょう。
→ マザーオブパールのお手入れ完全ガイド
宝石の「処理」についてGemstone Treatments
宝石の多くは、色や透明感を引き出すための処理が施されています。広く行われているもので、品質が劣るという意味ではありませんが、処理の種類によって苦手なものが変わります。
- 加熱
- ルビー・サファイアなど。安定しているため、ふだんのお手入れで問題ありません。
- 含浸(オイル・樹脂など)
- エメラルドなど。熱や溶剤、超音波で処理剤が抜けることがあります。
- 染色・コーティング
- オニキスや一部のトパーズなど。研磨剤や薬品で、表面の色や輝きが変わることがあります。
→ 宝石の処理とは? 代表的な処理方法
その他の色石Colored Stones
色石は種類が多く、丈夫さもさまざまです。お手入れの考え方で、大きく3つに分けてご紹介します。石名の右の数字は硬さの目安です。
比較的丈夫な石ぬるま湯+中性洗剤で洗える
- アメシスト・シトリン7
- アクアマリン・モルガナイト7.5〜8
- ガーネット6.5〜7.5
- スピネル8
- トルマリン7〜7.5
- オニキスなどのカルセドニー6.5〜7
日常使いしやすい石たちです。アメシストなど一部の石は、強い光に長くあたると色が淡くなることがあるため、窓辺に置きっぱなしにしないようにしましょう。
衝撃と温度差に気をつけたい石洗うときはやさしく、温度差なく
- トパーズ8
- タンザナイト6〜7
- ペリドット6.5〜7
- ムーンストーン6〜6.5
- オパール5.5〜6.5
ある方向に割れやすい性質をもつ石や、急な温度変化でひびが入りやすい石です。ぬるま湯でやさしく洗えますが、熱いお湯や冷たい水に急に移さず、ぶつけないように。ペリドットは酸にも弱い石です。オパールは内部に水分を含むため、乾燥や高温が苦手。薄い石を貼り合わせたオパールは水に浸けません。
やわらかく、しみこみやすい石洗わず、乾いた布で拭くだけ
- ターコイズ5〜6
- ラピスラズリ5〜5.5
- マラカイト3.5〜4
- コーラル3〜4
表面に細かな孔があったり、酸に弱かったりする石です。汗や皮脂、化粧品を吸って色が変わることもあります。水や洗剤には浸けず、乾いたやわらかい布で拭いてください。
はめ込み・エナメル・石が動くデザインは 石を接着してはめ込んだもの、エナメルで彩ったもの、石が中で動く構造のものは、浸け置きせず、表面を拭くだけにします。迷ったときも「拭くだけ」がいちばん安全です。